次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

長崎大学・医学・歯学がんプロフェッショナル養成コース 平成27年度修了者

現職 長崎大学病院腫瘍外科 助教

朝重 耕一(長崎大学) 医師

私は、2015(平成27)年度に、長崎大学の「医学・歯学がんプロフェッショナル養成コース」を修了しました。

私の専門は呼吸器外科で、日常診療では特に肺癌に対する診療が多く、手術で治癒する人がいる一方で、手術適応外や術後再発ということもしばしば経験しました。がんを治癒に導くにはまだまだ多くの困難が残っているのが現状です。

大学院へ進学する頃には、「癌を克服する」というのが私のテーマになっていましたので、「医学・歯学がんプロフェッショナル養成コース」に進み、臓器横断的な腫瘍学の講義、化学療法チーム・緩和ケアチームとのラウンドやカンファレンスを経験できた事は、臨床医としての幅が広がり非常に有意義でした。

大学院在籍中は基礎研究として、次世代シーケンサーを用い肺癌家系のExome解析を行い、候補となる原因遺伝子を発見しました。この頃から基礎研究に興味がわき、2015年5月からシンシナティ小児病院研究所へ研究留学をしました。留学生活は大変でしたが、それまで病理学的側面からの研究が主であった粘液産生肺癌に対し、Transgenic mouse modelや最新の研究手法(RNA-seq, ChIP-seq, CRISPR/Cas9)を用い、粘液産生肺癌の分子生物学な特徴を新たに発見する事ができ、これを報告しました。

現在は帰国し、2018年から厚生労働省に出向中ですが、長崎大学の客員研究員として大学院生の指導も行なっています。

「癌を克服する」ためには臨床と研究の両方が必要だと考えています。いつか癌で苦しむ人がいない世界がくるよう、今後も精進していきたいと考えています。

(2018(平成30)年10月掲載)

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