次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

大分大学・ゲノム医療研究者養成コース  令和元年度修了者

現職 国家公務員共済組合連合会 新別府病院 消化器内科・医師

川原 義成(大分大学) 医師

私は2019(令和元)年度に、大分大学の「ゲノム医療研究者養成コース」を修了しました。

私は、医師として5年目にあたる2015年4月に大分大学大学院医学系研究科博士課程に入学するとともに本コースの履修を開始しました。大分大学医学部解剖学講座の濱田文彦教授のご指導のもと、胃癌の分子メカニズムの解明をテーマに基礎医学の研究に取り組みました。しかし、なかなか論文にできるような結果を出すことができず、研究室の指導教官から元々の所属医局であった消化器内科学講座へ戻るように言われ、2018年5月に研究室を後にしました。消化器内科学講座へ戻って村上和成教授のご指導のもとゼロから研究を始めることとなり、内視鏡的な胃粘膜萎縮が大腸ポリープ発生のリスク因子であることを示す症例対照研究に取り組みました。この研究では、統計学的に胃粘膜萎縮が大腸ポリープのリスク因子であることを示すことができ、臨床的に意味のある結果を論文発表することができました。研究内容をAmerican College of Gastroenterology主催の「ACG 2019 Annual Scientific Meeting and Postgraduate Course」(2019年10月開催)で発表し、筆者はOUTSTANDING POSTER PRESENTER に認定されました。また、本コース履修中に日本消化器病学会消化器病専門医、および日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医を取得することができました。苦労の多い研究生活でしたが、それぞれの研究を通して本コース履修中に身につけることのできた知識や技術は今後に活きるすばらしいものであったと感じています。

現在、私は国家公務員共済組合連合会新別府病院に消化器内科医師として勤務しています。日々の診療業務に追われつつも、研究マインドを保ち、本コース履修中に磨いた知識や考え方を活かしていくことがこれからの私の使命と考えています。

(2020(令和2)年7月掲載)

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