次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

宮崎大学・地域医療に貢献するがん看護専門看護師養成コース 平成26年度修了者

現職 社会医療法人博愛会相良病院 緩和ケア支援センター・看護師

有島 みつる(宮崎大学) 看護師

私は、2014(平成26)年度に、宮崎大学の「地域医療に貢献するがん看護専門看護師養成コース」を修了しました。

私が専門看護師を志望した当時、緩和ケア病棟での勤務が丁度10年経とうとしていました。日々患者さんと接する中で、私はケアについて戸惑いが多く、患者さんや家族にどのように向き合えば良いのか分からず、自身の無力さに押し潰されそうな思いがありました。上司との面談の中で、教育機関での学びを通し、自身の看護の再構築を行うことも良いのではと背中を押してもらったことが、がん看護専門看護師を目指すきっかけとなりました。

現在、私は乳癌の診療連携拠点病院において、緩和ケア支援センターの専任看護師として、がんと診断されてからの緩和ケアのもとで治療が受けられ、最後までその人らしく生きることができるよう、院内連携はもちろん、地域の医療機関との連携を行っています。患者さんと家族が、療養したい場所でより本人らしく生活していくことができるように、医師や看護師、医療相談員と連携し、療養の場の調整をしています。専門看護師の役割の中で、看護実践の割合が多いのですが、患者さんと家族の家族ダイナミクスに心をうたれ、その感動を、看護を続けていく力にしてきたように思います。そのためには、まずは症状緩和が必要です。私は、全人的な視点で苦痛を捉え、速やかに症状緩和することを常に心がけています。

教育的な活動として、当院には11人の専門・認定看護師がいます。それぞれの専門性を生かして質の高いがん看護実践に努めるとともに、組織全体の看護の質向上がはかれるよう、がん看護支援委員会の運営をしています。また、看護協会では鹿児島地区評議員として、微力ではありますが教育委員として活動しています。

今後の展望として、医療の進歩に伴いがんと診断されてからの生存率が上がっている中、患者さんと家族に対し、多職種でどのようなケアを行うことが生活の質の向上につながるのかを、常に追求していきたいと思います。まずは、患者さんと家族の価値観や背景を理解し、患者さんご自身がその人らしく生きていく力を高めていけるよう、多職種間の連携を大事に取り組み、関わるスタッフ皆がやり甲斐を持てるような看護を目指したいと思っています。

(2018(平成30)年8月掲載)

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