次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

大分大学 専門看護師コース(がん看護) 令和2年度修了者

現職 中津市立中津市民病院 患者サポート課 副師長

吉田 まつみ(大分大学) 看護師

私は、2020(令和2年)年度に、大分大学専門看護師コース(がん看護)を修了しました。

私が、がん専門看護師を目指したきっかけは、がん相談支援センターに所属し、相談対応や病名告知や再発告知の診察同席する中で、初対面の患者さんやご家族の真のニーズを捉えた支援や衝撃や不安といった精神的苦痛に対し、今までの経験や知識だけでは対応ができない力不足を感じたからです。入学後は、今まで経験知やパターンで行っていた看護実践を見直す機会になりました。「無知の知を知る」ことで、自分が知らない中で実践をしていた事に気づきました。現象だけを捉えるのではなく、その背景を多角的に把握し問題解決していく専門看護師の問題解決思考を学びました。

現在、入院退院支援部門・病床管理部門と私が担当する患者療養支援部門を統合した患者サポート課に所属し、外来だけでなく院内全体を組織横断的に活動しています。活動の実際として、病名告知や治療方針を決定する場面の診察に同席し、がんと病名を告げられた衝撃の中、治療方針の決定を迫られる患者さんやご家族が現状を正しく認識し、合意形成できるように認識のずれが無いか、希望は何か等を確認し、医師と情報共有しています。また、患者さんやご家族から、がん薬物療法の副作用や鎮痛剤の使用方法など日常生活を送る上での困り事の相談を受ける機会が多く、内容によっては薬剤師外来や緩和ケアチームといった多職種と連携し、症状緩和が図れるよう調整を行っています。病棟看護師からは、コロナ禍での面会制限により、ご家族に会えない苦痛や家族関係が見えにくいといった相談を受けます。看護現場で潜在化する課題は、看護理論や看護倫理を学んだからこそ見える課題でもあり、進学して良かったと臨床現場に戻り実感しています 。

今後は、院内だけではなく、疾病を有しながら地域で生活している患者さんやご家族、地域の看護職に対する相談・指導の窓口として看護外来「地域看護支援センター」を運用し、地域の看護の質の向上を目指しています。臨床ではすぐに解決できない課題も沢山あります。患者さんやご家族が抱える問題、病院から求められる役割、地域のニーズに真摯に向き合い、立ち止まりながら、学びを活かしたいと思います 。

本人:左から2番目

(2021(令和3)年8月掲載)

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