次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

九州大学・がん専門臨床検査技師コース 平成29年度修了者

現職 国家公務員共済組合連合会浜の町病院 臨床検査部・臨床検査技師

西村 和徳(九州大学) 臨床検査技師

私は、2017(平成29)年度に九州大学大学院医学系学府保健学専攻博士後期課程の「がん専門臨床検査技師コース」を修了しました。

私は総合病院の臨床検査部で血液検査や生化学検査に携わっています。がんの検査や診断においては、標本上の異常細胞を的確に捉えること、そして、各検査データを総合的に考察することが重要です。しかし、細胞の形態は患者や病態によって様々であるため、鑑別が難しい場合があります。また、臨床診断に用いる検査項目は複数あり、どの検査項目が特に有用なのか困ることもありました。このようながんに関する課題を研究するため、がんプロフェッショナル養成プランを受講しました。

「がん専門臨床検査技師コース」では、癌細胞の形態について分子生物学的手法を用いて研究を行いました。これまで経験的に「癌細胞はこういう形だ」と考えていたことに対して、分子生物学的な裏付けをとることで、癌細胞の置かれた環境や発育の仕方を把握し、細胞形態をより深く考えることができるようになりました。また、様々な検査データをピックアップして、患者の病態をより的確に判断できる検査項目についての解析も行いました。これらの研究成果は日常の検査業務にも十分活かすことができ、検査の質の向上に繋がっています。

癌に関する研究は様々ですが、「患者の利益に繋がる」という点は一致しています。これからも、研究活動や学会発表を継続して行い、臨床検査技師として、また研究者として、知識の向上に努めたいと考えています。

(2018(平成30)年8月掲載)

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