次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

九州大学・がん専門臨床検査技師コース 平成30年度修了者

現職 北九州市立医療センター 臨床検査技術課・臨床検査技師

近藤 守(九州大学) 臨床検査技師

私は、2018(平成30)年度に、九州大学大学院医学系学府保健学専攻修士前期課程の「がん専門臨床検査技師コース」を修了しました。

私は、組織のタンパク発現について免疫染色を用いて研究していました。研究を続けていくにつれて、タンパク発現を知るためにはその裏にある遺伝子発現について知る必要があると考えるようになりました。また、病理の世界は遺伝子レベルで医療を提供するようになり、私が持っている知識では高度化していく医療に携わっていくには不十分だと感じました。そこで、より深くがん細胞について学びたいと考え、本コースに入学しました。

本コースでは、がん細胞について培養細胞を用いて細胞周期に関与する遺伝子発現等を研究しました。がん細胞の複雑かつ巧妙なストラテジーを学ぶと共に、様々な角度から自身の直面している問題を解決していく力を身につけることができました。また、本コースでは研究のみならず、書籍や論文等を用いた勉強会が盛んに行われており、一つのチームとして病理の世界と向き合うことができました。意見交換等を行うことで、人に自身の意見を伝える力も身につき、病理に関するより専門性の高い知識からチーム医療に必要な伝える力まで、幅広く学ぶことができました。

現在、私は病理部門で日々業務に励んでいます。病理部門ではゲノム医療が始まり、検体処理等のプロトコルが大きく変わろうとしていますが、まだまだ試行錯誤の状態が続いているのが現状です。このようなときに最も重要なことは、医療職種間でしっかりと意見を交換し、「なぜこのようにするのか」を互いに理解することだと考えます。最良の医療は一人では決して成しえないため、チームで課題に向き合っていく必要があると考えます。私は本コースで学んだ知識と伝える力を存分に活用し、他職種に周知していくと共に最新の情報にも目を向け、常に向上心を持って業務に励んでいきたいと考えています。そのためにも、今後とも勉強会や学会等に積極的に参加し、精進していきたいと考えています。

(2019(令和元)年9月掲載)

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