次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

九州大学 がん専門臨床検査技師 細胞検査士コース  令和2年度修了者

現職 製鉄記念八幡病院 検査部

岩﨑 遥菜(九州大学) 臨床検査技師

私は、2020(令和2年)年度に、九州大学大学院医学系学府保健学専攻修士前期課程の「がん専門臨床検査技師 細胞検査士コース」を修了しました。

私は大学院での2年間、正常組織にも見られますが、癌ではより多く出現する二核細胞に関して研究を行いました。研究に際して、細胞のタンパク質発現を免疫染色法を用いて視覚化し検討を行ってきました。研究を行うにつれ、タンパク質の発現を知るためには遺伝子の発現を初めとした膨大な知識が必要になると感じました。その上、近年の医療の発達はめざましく私個人では知識を身につけるにも限界があると考え、本コースに入学しました。

本コースでは培養細胞を用いて二核細胞の特徴に関する研究を行いました。主に二核細胞の出現様式や、グルコース輸送に関わるタンパク質の発現を調べました。順調に進まないことも多々ありましたが、どうすれば上手くいくか試行錯誤も含めて実験を重ね、二核細胞の特性を発見する機会に恵まれました。 また、本コースでは他の大学や病院の方々と関わる機会(九州がんプロ合同研修会等)もあり、研究内容を始めとして多くのお話を伺ことができる貴重な時間を得ることもできました。関係者の皆様に心より感謝いたします 。

現在、私は大阪医科薬科大学関西BNCT共同医療センターにて、特務助教(医学物理士)として臨床・研究業務に携わっております。 BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)とは、癌細胞に集積するホウ素薬剤と体外から照射する中性子の核反応を利用して、癌細胞を選択的に破壊する最先端の放射線治療の一種です。2020年6月より、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」について保険診療が開始しました。また、脳腫瘍や悪性黒色腫等の治験も進行段階です。

現在は病理の分野から離れていますが、本コースで学んだ経験や知識はこれからも役に立つと信じています。今後も患者様のために働く医療人として努力していきたいと考えています。

(2021(令和3)年8月掲載)

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