次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

九州がんプロフェッショナル養成プラン がん専門薬剤師コースを修了して

九州大学大学院薬学府 平成22年度修了者

近森 綾子(九州大学) 薬剤師

現在、日本人の約30%の人は『がん』が原因で死亡しており、今もなお増加を続けています。私は、そんな『がん』に対する単純な興味と、医療現場で薬剤師が『がん』とどのように関わることができるのか知りたいと思い、『プロフェッショナル養成プラン』を受講しました。

『がんプロフェッショナル養成プラン』では、基本的な病院の業務(調剤業務・製剤・治験・TDM・DIなど)に加えて、『がん』に特化したプログラムを受けることができます。 例えば、がん専門薬剤師を目指す先生と並んで、各がん種について専門的な講義を受けます。各診療科の医師・看護師・薬剤師・栄養管理士などが、それぞれの専門分野について最新の情報をお話してくださるので、非常に興味深く、自分の知識も深まりました。また、『がん』やその治療についてだけでなく、それぞれの職種における患者さんとの関わり方を知ることができ、チーム医療の大切さを実感しました。 私がこの実習期間で経験できてよかったと感じているものに、抗がん剤の調製と病棟での活動があります。

まず、抗がん剤の調製は、入院が2日間、外来化学療法室で1週間行いました。この機会がこんなに早く訪れるとは考えてもみなかったので、不安も大きかったですがとてもよい経験となりました。抗がん剤の調製では、化学療法が適切に行われているか確認することはもちろん、調製の際に自分自身が抗がん剤に曝露されないよう正しい手技で行うことが重要です。九州大学病院薬剤部では他の医療スタッフに対して、抗がん剤曝露の危険について周知する活動を行っており、医薬品の適正使用において薬剤師が重要な役割を果たしていることを知りました。

病棟での活動では、入院時の初回面談・持参薬の確認や化学療法・放射線治療開始前のオリエンテーション、医療用麻薬(オピオイド)開始前のオリエンテーション、定期的な訪問と聴取などを行いました。また、他の医療従事者への情報提供も薬剤師の重要な役割となっていました。病棟活動は、ゆっくり時間をかけて患者さんの声を聞くことができる貴重な時間です。病棟活動の中でも、特に緩和ケアに関われたことが貴重な経験となりました。オピオイドに関しては自分自身も知らないことが多く、患者さんと同じようにマイナスのイメージがあったのも事実です。今では正しい知識を得ることができ、緩和ケアに対してさらに興味がわきました。

このプランを終えて、『がん』についての知識や『がん』と関係する薬剤師の役割など、目標としていたことを知ることができました。この実習で経験したことは、これから薬剤師として働いていく上で、今後も活かされていくことでしょう。また実習中は自分に足りないところが多々見つかり、今後自分がやるべきことも見えてきたように感じました。これからも薬剤師として成長できるように目標を持っていきたいと思います。

最後にお忙しい中ご指導していただいた先生方、本当にありがとうございました。

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