研修医・大学院一体型がん専門博士養成コース
がん研有明病院 大腸外科・医員
前田 裕斗(熊本大学) 医師
私は、2024年度に、熊本大学の「研修医・大学院一体型がん専門博士養成コース」を修了しました。
初期臨床研修を経て、2016年に熊本大学消化器外科に入局し、多くの消化器がん患者の診療に携わる中で、治療法の選択や予後予測の難しさを日々実感していました。特に、がん患者の全身状態や筋肉量と予後の関係に関心を持ち、より科学的・体系的にがん医療を学びたいという思いから、本コースに進学しました。私は消化管癌(食道癌、胃癌、大腸癌)を対象に、術前後の骨格筋量の変化と長期予後の関連について、3次元画像解析を用いた研究を行い、学位を取得しました。
在籍中には、「がん治療認定医」や「消化器外科専門医」、「消化器がん外科治療認定医」などの資格を取得しました。大学院での研究活動と臨床経験を並行して積むことで、がん治療に対する理解が深まり、これらの資格取得にも大いに役立ったと感じています。 現在は、がん研有明病院 大腸外科に勤務し、進行・再発大腸癌や希少癌の治療に携わっています。今後は、がん治療において外科のみならず、栄養・運動療法を含む多面的なアプローチを通じて、より質の高い医療の提供を目指したいと考えています。また、アカデミアと臨床をつなぐ研究者・外科医として、国内外での研究・教育活動にも積極的に取り組んでいきたいと思います。


(2025(令和7)年8月掲載)