次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

包括的がん専門医師・歯科医師養成コース

歯科医院勤務

中村 則夫(長崎大学) 歯科医師

私は、2023(令和5)年度に、長崎大学の「包括的がん専門医師・歯科医師養成コース」を修了しました。

2019年に歯科医師国家試験に合格し1年間の臨床研修を経て、長崎大学病院の口腔顎顔面外科室に入局しました。大学病院の口腔外科では親知らず抜歯や嚢胞摘出をはじめとした小手術に加え、全身麻酔での口腔がんの手術、化学療法や放射線治療を行います。口腔がん診療に携わるにあたり、医科との連携の重要性を実感し、大学院進学に併せて本コースを選択いたしました。カリキュラムには講義のみでなく実習も含まれており、私は2週間、対馬病院外科にてお世話になりました。外来業務の際も全身麻酔手術見学の際にも、私に理解が出来るようこまやかにご説明、ご解説をして頂きました。

また大学院での研究テーマは薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)で、課題の1つとして高用量ARA治療中のがん患者さんに対する抜歯と抜歯後のMRONJ発生率および危険因子について考察いたしました。高用量ARAが投与されているがん患者さんの場合、歯周病や根尖病巣など感染源となり得る歯牙を保有している際はそれらの歯は抜歯した方がMRONJ発症を抑制できる可能性があるという結果を得ましたが、実際の臨床では、患者さんのADLや患者背景を考慮した上で抜歯をはじめとした侵襲的歯科治療を選択することが求められると考えます。 現在、私は一般歯科医院に勤務しており直接的ながん診療は行っておりませんが、医科からの周術期口腔管理のご依頼や口腔がん術後の患者様の口腔ケアのご依頼を多く頂いております。本コースで経験して得た知識、経験を活かして地域医療に貢献したいと考えております。

(2024(令和6)年10月掲載)

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