私は、大分大学医学部消化器・小児外科に所属している消化器外科医です。私は2024年（令和6年）度に、大分大学の「ゲノム医療研究者養成コース」を修了しました。

　私は、2018年に大分大学大学院医学系研究科博士課程に入学するとともに本コースの履修を開始しました。博士課程では消化管癌について研究を行っていました。そのなかで腹膜播種を有する患者に対して何とか治療ができないかと考え、新規の治療法の開発を研究テーマとしました。癌治療の一つである光線力学療法に癌特異的に感染して抗腫瘍効果を示すウイルスを用いて光感受性物質を特異的に送り込む相乗効果を狙い、安全かつ的確な治療法の開発を行いました。現在は、後輩が私のテーマをさらに発展させ、研究を進めてくれており、私もその一員としてアドバイスを行っております。 　私は現在、大分県内の病院で外科医として手術を中心に、消化器癌診療に従事しています。本コースおよび博士課程を履修したことで、これまでよりも癌に対する治療法などの知識が深まり、多角的に診療していくことができていると実感しています。今後は外科医としてさらに修練を積み、自分の得た経験を後輩へ伝えていけるように精進していきたいと思います。

（2024（令和6）年8月掲載）