次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

九州大学・ゲノム基盤臨床腫瘍学コース 令和3年度修了者

現職 佐世保共済病院 腫瘍内科・医師

吉弘 知恭(九州大学) 医師

私は、2021(令和3)年度に、九州大学の「ゲノム基盤臨床腫瘍学コース」を修了しました。

大学生の頃からがん診療に携わりたいと漠然と考えておりましたが、初期研修中にローテートした血液・腫瘍内科で多くのがん患者さんを担当させていただく中で、指導医の先生方が全人的なケアを提供されている姿に感銘を受け、がんを総合的に診ることができる腫瘍内科医を志しました。初期研修終了後、大学病院での勤務中に台頭してきた分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を適正に使用するためには作用機序に関する基礎的な知見を身につける必要があり、また難治性癌に対する新規治療開発にもいずれ携わりたいと思っていたことから大学院進学を決意し、がんプロコースに入学することといたしました。

在学中は基礎研究を通じて発癌メカニズムや抗癌剤の作用機序への理解を深めるだけでなく、講義を通じて全癌腫横断的な知識を学ぶことができました。講義で得た知識はがん薬物療法専門医筆記試験の際にも大いに役立ちましたし、何より受験に必要な症例実績報告書に関してもがんプロコース指導教員の先生方に丁寧なご指導をいただき合格することができました。また、全体研修会では各大学のがんプロコースの大学院生との交流する機会もあり、各地での取り組みを共有することで新たな視点で自分が取り組んでいる仕事を見直すことができました。さらにがんプロコースではコロナ禍前は海外での研修も希望すれば可能であり、実際に私も台湾の台北栄民総医院への訪問研修を経験させていただきました。グローバルな視点を養うことの重要性を再認識させられた思い出深い研修であり、ぜひ今後入学される先生方も機会があれば参加されることをお勧めいたします。

現在、私は長崎県佐世保市にある佐世保共済病院で腫瘍内科医として勤務しております。地方では数少ないがん薬物療法専門医として消化器系のがんに限らず、様々な癌腫の診療に携わっております。臓器横断的な視点を養うことを当面の目標として今後も、日常診療だけでなく研究も担えるように研鑽に努めたいと思います。

(2022(令和4)年9月掲載)

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