次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

大分大学 ゲノム医療研究者養成コース  令和2年度修了者

現職 クリニックこまつ 乳腺外科 医師

北川 美和(大分大学) 医師

私は、大分大学 消化器・小児外科学講座に所属している外科医です。乳腺外科を専門にしています。今回、2020年(令和2年)度に、大分大学の「ゲノム医療研究者養成コース」を修了しました。

私は、2015年4月に大分大学大学院医学系研究科博士課程に入学するとともに本コースの履修を開始しました。それまでは臨床医として乳癌の患者さんの治療に当たるものの、診療業務に忙殺され、十分深く考えず、言われるがまま、伝えられたままの情報をもとに治療に当たっていました。しかし、臨床経験を深めるとともに、化学療法が効いた患者さんと効果がなかった患者さんにどのような違いがあるのか、それを予測する方法はないのか、そもそも乳癌とは何か、等と様々な疑問がわいてきました。元々、乳癌に関して研究を行いたいと考えていた私は、指導教官である大分大学 消化器・小児外科学講座の猪股雅史教授へ相談し、本コースの履修と、大分県内にある九州大学病院別府病院 外科 三森功士教授のもとで研究を行う機会を与えて頂きました。研究室では、主に、「乳癌患者の末梢血における予後予測バイオマーカー」と「日本人乳癌の分子遺伝学的特徴」について研究を行い、前者の研究テーマで論文発表を行い、医学博士も習得することができました。後者の研究テーマは、後輩の大学院生へ引き継いだものの、現在も共同で研究を進めております。臨床とは全く異なる研究生活に苦痛を感じることも多くありましたが、研究生活や本コース履修を通して学んだこと・考えたことは、今後の長い医者人生の糧になる非常に貴重な経験となりました。

現在、私は結婚に伴い大阪府へ引っ越し、クリニックこまつで非常勤の乳腺外科医として勤務しています。外来業務が中心で、臨床・研究の最前線からは一旦退いた状態ですが、これからも研究生活で学んだリサーチマインドを常に持ち、新しい知見を取り入れ、診療に当たっていきたいと考えています。

(2021(令和3)年8月掲載)

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