次世代の九州がんプロ養成プラン

修了者の声VOICE

ライフステージに応じたがん専門医療人育成コース

くらかずまり子レディースクリニック・院長

倉員 真理子(福岡大学) 医師

私は令和6年度に、福岡大学の「ライフステージに応じたがん専門医療人育成コース」を修了しました。

産婦人科医として、より広い視野と繊細な感受性を持った医療人になるために、このプログラムを選びました。産婦人科には、腫瘍、周産期、生殖内分泌、女性ヘルスケアという4つの大きな領域がありますが、私はすべての分野で実践的な臨床経験を積んできました。

なかでも、分娩後24時間以降に起こる異常出血の原因の一つである「Retained Products of Conception(RPOC)」について研究し、臨床データからリスク因子を抽出して、異常出血を高精度で予測するモデルを作成し、論文として発表しました。この予測モデルは、外科的治療を行うべきか、それとも経過観察でよいかを判断するうえで、臨床の現場でとても役立つツールになると考えています。

また、コース在籍中には、日本専門医機構の産婦人科専門医を取得し、さらにサブスペシャリティとして臨床遺伝学を学び、日本産科婦人科遺伝診療学会の周産期認定医も取得しました。

がん診療に携わる中で、私は治療後の患者さんのその後のケアに強く関心を持つようになりました。そして、高度医療機関と地域の医療機関の間をつなぐ役割を担える施設が、まだまだ足りていないことにも気づきました。

これからは、このプログラムで得た知識や経験を生かして、治療後の患者さんを支えられる医療機関の実現に向けて、研鑽を続けていきたいと思っています。そして、その取り組みを通じて、社会に貢献していく所存です。

(2025(令和7)年9月掲載)

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